2004.4.28 ・◆・白文鳥
私が好きだと言ったら…
私が好きだと言ったら…あなたは困るかしら?
私が好きだと言ったら…
私が好きだと言ったら…あなたは喜ぶかしら?
あの森の あの美しい湖のほとりで とうとう言えなかった言葉は、私の中で… 繰り返し繰り返し波のように押し寄せてくる。
渡せなかったプレゼントは人知れずまだ引き出しの中。 時々その存在を思い出して確かめて。 そうして少しずつ色褪せるリボンの赤。 反比例するように鮮やかに目に浮かぶあなたの赤。 どうしようもない想いが満ち潮のように 私の中でどんどん重くなる。
重くなって重くなってそうして 私の中から溢れてしまった想いは 一体どうなってしまうのだろう。 流れ出てしまった想いは 宇宙を漂って星ぼしを廻って いつかあなたの所へと辿り着くのかしら。
私が微笑んであなたの前に立つと あなたも微笑んで恭しく膝をつく。 私の手を取り大事そうにそっと握ってくれる。 ゆっくりとあなたの唇がわたしの手の甲をなでる。
そのままでいて 私の手を離さないで もっと私に触れていて
女王候補であった頃の私が 好きだと言ったら…
女王補佐官になったかもしれない私が 好きだと言ったら…
宇宙の女王の 私が好きだと言ったら…
あなたはなんて答えるのかしら。
・◆ FIN ◆・
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