夏という季節を嫌ったことはない
嫌がらせのように照りつける灼熱の太陽も 涼を運んでくることのない役立たずの風も 足を焼かんばかりの勢いで熱せられた砂も 僅かばかりの冷たさを気紛れに齎す飛沫も 全ては夏の醍醐味だと笑って許しもしよう 惜しげなく肌をさらせる君が季節のおかげなら 例えば太陽にだって口接けることも厭わない 太陽の下で心から楽しそうにはしゃぐ君は、 また違った風情でオレの気持ちを煽るから オレ以外の男の前でそんなに無防備にしてくれるなよ 君を押し倒すのを1時間も堪えられる男なんて 多分オレの他にはないだろうから illustration:Ryoko |