汗と血で剣がすべる。
もはや、返り血なのか自分の血なのか解らない。
握りなおした瞬間、その僅かな隙をついて奴の剣が振り下ろされた。
咄嗟に左腕で額をかばった。
衝撃が篭手を通り越して、骨まで走る。
苦痛に思わず顔がゆがんだ。
奴の顔に勝利が浮かぶ。
それこそがオスカーの待っていた最大のチャンスだった。
大きく孤を描いてオスカーの剣が奴の腹に吸い込まれた。
この感覚は彼の知っているものだ。
肉を切り、骨を絶つ手応え。
これで終わる。
終わらせて、金色の光の元へ帰る。
Message by 白文鳥
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